COLUMN 05
毎日使う管理画面で、迷わせないための工夫
作ったのに、現場で使われなくなるシステムがあります。その多くは、機能が足りないのではなく、使う人が迷うからです。
毎日使う画面では、1回の小さな迷いが、毎日・全員の分だけ積み重なります。東京で管理画面やマイページを設計してきた中で、そしてこのサイトの体験デモを作る中で大切にしてきた工夫を、画面の見本つきでまとめました。
WORDS
言葉は、社内の呼び方で
- 01
項目の名前は、社内の呼び方で
「得意先コード」と呼んでいる会社で「顧客ID」と書くと、それだけで一瞬止まります。画面の言葉は、毎日使う人が口にしている言葉に合わせます。
- 02
ボタンは「何が起きるか」で名付ける
「実行」「OK」では、押したら何が起きるかわかりません。「確認して登録」「下書きを保存」のように、押した後のことを書きます。
- 03
専門用語を使わない
「同期」「ステータス」「エクスポート」は、「最新にする」「状態」「Excelで書き出す」で十分です。
よくある画面
注文 #1024
どれを押せば登録されるのか、押してみないとわからない
迷わない画面
注文 #1024
押すと何が起きるかが、ボタンに書いてある。押すべきボタンは1つだけ目立つ
ONE SCREEN
よく使う作業は、1画面で終わる
-
一覧から、そのまま
よく使う作業は、一覧の画面から直接できるように。詳しい画面を開いて、戻って、また開く、を減らします。
-
次に押すボタンを、1つだけ目立たせる
同じ強さのボタンが並ぶと迷います。いま押すべきボタンだけを、色の付いたボタンにします。
-
入力の順番は、紙と同じに
今まで紙の伝票で書いていた順番と、画面の入力の順番をそろえると、覚え直す必要がありません。
FEWER MISTAKES
間違えにくく、間違えても戻れる
- 01
候補を出す
商品名や取引先は、数文字打てば候補が出るように。打ち間違いと表記の揺れが、同時になくなります。
- 02
ありえない値に、その場で気づかせる
数量が0、納期が今日より前、いつもの10倍の注文。送る前に「本当にいいですか」と知らせます。
- 03
消す前に確かめ、消しても戻せる
大事なデータを消すボタンは離れた場所に置き、押したら確認を。できれば、しばらくは元に戻せるようにします。
- 04
色だけで伝えない
赤=要確認、緑=済み、だけでは、色の見分けにくい人や、白黒で印刷したときに伝わりません。色と一緒に言葉を添えます。
よくある画面
入力エラーがあります
どこが、なぜ違うのか、どう直せばいいのかがわからない
迷わない画面
要確認納期が今日(10/26)より前になっています。11/20 の打ち間違いではありませんか?
入力欄のすぐ下に、理由と直し方を言葉で。色だけに頼らず「要確認」と書く
STOP WHEN UNSURE
迷ったら、止まる
自動の処理やAIを組み込むときは、自信のない所で黙って進まず、印を付けて止まり、人に選んでもらう作りにします。手書きで読みにくい数字、言い直しがあった時刻、施設の情報にない質問。黙って間違えるより、迷ったら止まるほうが、安心して毎日使えます。
この「止まり方」は、体験デモでそのまま試せます
DEVICES
スマホとパソコンで、役割を分ける
現場は、スマホで入力だけ
- 大きなボタン、少ない項目
- 手袋のままでも押せる大きさ
- 話して入力、写真で送る、も選べる
事務所は、パソコンで一覧と集計
- たくさんの行を一度に見る
- 絞り込み・並べ替え・Excelへの書き出し
- 確認と承認
同じ画面を、スマホとパソコンの両方で無理に使わせない。使う場所と人に合わせて、見せるものを変えます。
TOGETHER
作る前に、使う人と一緒に
- 01
毎日使う人の作業を、横で見る
話を聞くだけではわからない「ここで毎回メモを見ている」「ここで電話がかかってくる」が、見えてきます。
- 02
実際の画面に近い試作で確かめる
説明の資料より、触れる試作。使う人に操作してもらうと、迷う所はすぐにわかります。
- 03
使う人に、決めてもらう所を残す
画面の言葉や並び順は、使う人の意見で決めます。納得していない画面は、使われません。
システムを作る人と、画面をデザインする人が別々だと、「動くけれど使いにくい」ものになりがちです。両方をひとりで担当するのは、このためです。